発達のつまづきと「平衡感覚」〜困りごとの根っこを知るということ〜
・姿勢がすぐ崩れる
・椅子をガタガタさせる
・ボールが取れない
・字が整わない
・集中が続かない
そんな様子を見るたびに、
「どうしてできないの?」
「ちゃんと座って」と声をかけたくなりませんか?
困りごとの震源地はどこにある?
発達につまづきのある子が抱える
・姿勢の崩れ
・運動のぎこちなさ
・自己刺激行動
・書字の困難
・言葉の遅れ
これらは一見バラバラに見えます。
しかし、
「平衡感覚(前庭)」という共通の土台から
つながって理解できることがあるのです。
入力が整うと、出力は変わる
脳には
- 感覚を受け取る「入力」
- 体を動かす「出力」
があります。
私たちはつい、
姿勢を正す
筋トレをする
集中しなさいと言う
など、出力を整えようとします。
ですが、
入力(平衡感覚)が弱いと、
出力は安定しません。
スイッチが入っていない状態で
がんばらせていることもあるのです。
平衡感覚が支えている3つの力
平衡感覚は、主に3つの働きにつながっています。
① 姿勢調節
② 眼球運動
③ 自律神経(情緒の安定)
姿勢の崩れは「やる気」の問題ではなく、
低緊張という生理的な状態かもしれません。
椅子を揺らす行動も、
刺激を補おうとしている可能性があります。
目が安定しないと、学習は難しくなる
平衡感覚が未発達だと、
眼球運動が安定しません。
すると、
・文字を追えない
・行が飛ぶ
・字が右下がりになる
といった困難が起こります。
これは努力不足ではなく、
姿勢の軸が安定していないことの表れかもしれません。
正中線(体の中心軸)の大切さ
体のまんなかの軸を「正中線」といいます。
この軸が育つことで、
✔ 姿勢が安定する
✔ 左右の脳が統合される
✔ 利き手が安定する
✔ 集中の土台ができる
抱っこや揺れ遊びなど、
日常の関わりの中でも育まれる力です。
体の中心軸(正中線)が安定してくると、
脳の左右の役割分担も進みます。
言葉をつかさどるブローカ野やウェルニッケ野は
主に左脳にありますが、
その働きが発揮されるためにも、
こうした土台の安定が大切であるというお話も印象的でした。
言葉の課題が見られるときこそ、
まずは姿勢や体の軸に目を向ける視点を持ちたいと感じました。
自己刺激行動をどう見るか
体を揺らす
くるくる回る
椅子を揺らす
こうした行動は困りごとに見えます。
しかし、
感覚が不足している部分を補おうとする無意識の反応
である可能性があります。
「やめなさい」と抑えるよりも、
ジャンプ
回転
揺れ
などの遊びで、
必要な刺激を満たしてあげる視点が大切だと思いました。
しつけの前に、まず土台を
注意の前に、
まずは脳の土台を整える。
- トランポリン
- 回転椅子
- ブランコ
- ハンモック
- 高い高い
子どもが楽しそうにしているときは、
回路が活性化しているサインでもあります。
声かけも変わる
姿勢が崩れている子に
「ちゃんとして」ではなく、
「今日はちょっと地球の引力が強いかな?」
そんな声かけができたら、
子どもは
“自分が悪いわけじゃない”
と感じられます。
それは安心感につながります。
私が感じたこと
発達のつまづきは、
ママのせいではありません。
子どもも、
怠けているわけではありません。
ただ、土台がまだ整っていないだけ。
そう理解できるだけで、
怒りが少し減り、
悲しみが少し軽くなり、
希望が見えてくるなと思いました。
親子すまいるLABでは、
高額な療育に飛びつく前に
まず土台を知ることを大切にしています。
焦らず、でもあきらめず。
一緒に考えていけたら嬉しいです。